第7回全国高校生ポスターコンクール 2008.8.18(Mon)-8.28(Thu)
7th Highschool student poster contest (Domestic)

●ご応募いただいた皆さんヘ

只今、甲子園では、第90回の全国高校野球選手権大会の熱戦が続いています。間もなく優勝旗の行方が決まることでしょう。ところで、他方では今、所謂文科系「甲子園」といわれる各種の催しが各地で行われています。パソコン甲子園にアニメ甲子園、更に音楽・俳句・写真そして私達のポスター甲子園などなど。「甲子園」を名乗る大会は、なお続々誕生しているといわれますが、私共のポスター甲子園は、早くも今年で7回めを迎えました。
さて、今回は、A(川)・B(僕の関心・私の関心)2つのテーマに対し、夫々503点と789点、合計1200点を越える多数の作品が寄せられ、応募された生徒の皆さん並びにご支援いただいた先生方に対し、心からの感謝を申し上げます。厳正な審査を行い、夫々入選・入賞の作品を決めさせていただきました。いつもながら、皆さんの豊かな感性と想像力・創作力に感心しております。
考えてみますと、このコンクールも7年経ち、発足当時の応募者は、既に社会人として独り立ちしている年数を経過しましたが、入賞者の中には、美術系の大学に入り、勉強を続けている方もいると聞いています。ポスター甲子園のこの催しが、人材育成の上に少しでも役立っているとしたら、これ以上の喜びは有りません。皆さん方の今後の精進そして活躍を心から祈念いたします。

2008年8月
全国高校生ポスターコンクール実行委員会委員長 大迫輝通


●審査を終えて

ポスターはコミュニケーション・アートである。今日、国際的なポスターコンクールが世界の10数都市で開催され、アジアではイラン、中国、台湾、韓国、日本の5カ国の都市で6つのコンクールが開催されている。どうしてそんなに市民から支持を得ているのかと問われると、他のアートに比べ、明確なコミュニケーション・アートであるからといえる。そして、ポスターは普遍性と国際性とをもち、国語、言葉あるいは生活習慣の違いを超えて、また、経済的先進国や発展途上国の区別なく、多くの市民が共有できる媒体として支持を得ているのである。
ポスターは街頭芸術でもある。しかし、アジアの5カ国の都市において、ヨーロッパの都市に見られる、都市環境を形成する広告塔がほとんど存在しない。ポスターは他のアートよりも一層広く深い自由さをもって、事実あるいは考え方を伝達することができるが、広告塔がなければ日常的にそのメッセージが伝わらず、ポスターが街頭芸術である意味が薄れる。だから、国際的なポスターコンクールが隆盛を誇っているのかもしれない。
今回で7回目を迎える全国高校生ポスターコンクールは、北は北海道から南は沖縄までの高等学校62校から、A部門503点、B部門789点、計1,292点の応募があった。
A部門で最優秀賞を受賞した脇田采耶の『川』はコピー(文字)はなく、川の生き物、川魚を象徴として描き、川が育む生命力を力強く描いている。豊かな川の恵みは、鮮やかな色彩と曲線でダイナミックに表現されている。コピーがなくてもメッセージが充分に伝わってくる作品である。市長賞の西尾晴香の『川と遊ぼうよ!』は子どもの遊び場としての川の役割を考え、提案している。河原を背景にあやとりで橋を表現しているアイデアがおもしろい。いろいろと想像をかき立てられるが、昔、川の恵みが豊かであったことが伝わってくる。教育長賞の渡辺千絵の『川は命を運んでくれる。』は日本昔話の桃太郎をヒントに、川の恵みへの感謝をコンピュータ・グラフィック(CG)で表現している。コピーのレイアウトに問題はあるが、単純化されたイラストレーション―例えば山と川が一体となった形態は、不思議な魅力がある。
B部門で最優秀賞を受賞した大森偲之の『僕の居場所が無くなっていく』もCG作品である。CG制作で注意したいことは、ソフトに頼るのではなく、アイデアやコンセプトがしっかりしていなければ、曖昧なイメージだけが先行した作品で終わってしまうことである。大森作品は今日的な問題である地球温暖化問題を素直に表現しているが、割れた氷山の上にいる熊だけでは、メッセージが弱い。氷山とロウソクの灯をモンタージュすることで、温暖化問題の深刻さ―ロウソクの灯が消えるとどうなるのか―が伝わってくる。学長賞の軸屋秀斗の『僕は彼とは同じで違う』は手描き作品で、最近の無差別殺人事件に向き合って自己分析し、犯人達との違いを「殺人を犯さない」と誓って表現した作品で、高校生の心の葛藤が伝わってくる。優秀賞の渋谷優輝の『今、生きる』は中国の四川大地震で被害の遭った子供達の姿に共感して力強く描かれた作品で、彼は前回にも受賞している。紙面の関係で他の作品が紹介できないのが残念である。ポスターはその時代を映す鏡であり、ポスター的思考とは、ポスターのみについての思考ではなく、われわれ人間と人間の住む世界についての思考ではないでしょうか。
指導された先生方、そしてポスターに青春を込めて表現に努めた高校生諸君の健闘を讃えたいと思います。また、来年もお会いしましょう。

日本国際ポスター美術館ディレクター、金沢大学教授 松浦 昇


●事業報告
テーマA:「川」
○最優秀賞(1点)/脇田采耶(愛知県立起工業高等学校)
○市長賞(1点)/西尾晴香(兵庫県立香寺高等学校)
○教育長賞(1点)/渡辺千絵(サンデザイン専門学校)
○優秀賞(4点)/甲斐良明(滋賀県立彦根工業高等学校)、高田真菜美(石川県立内灘高等学校)、國井舞(東海大学付属相模高等学校)、植木みほ(大分県立鶴崎工業高等学校)
○奨励賞(20点)/向沙織(富山県立高岡工芸高等学校)、 木麻理恵(滋賀県立伊吹高等学校)、川瀬周平(滋賀県立伊吹高等学校)、國田侑香里(群馬県立桐生工業高等学校)、北川晃浩(滋賀県立彦根工業高等学校)、中尾麗菜(好文学園女子高等学校)、野村元気(岡山県立岡山一宮高等学校)、田中彩香(サンデザイン専門学校)、鮒谷慶菜(サンデザイン専門学校)、王生舞(石川県立大聖寺実業高等学校)、川上光(石川県立大聖寺実業高等学校)、堀雅晴(岐阜県立大垣商業高等学校)、金 佳(大阪市立工芸高等学校)、水野里咲(愛知県立常滑高等学校)、奥山絵理香(東海大学付属相模高等学校)、小塚愛美(愛知県立起工業高等学校)、服部浩一(愛知県立起工業高等学校)、纐纈敢偲(愛知県立起工業高等学校)、大角悠華(岐阜県立大垣南高等学校)、定森有紀(岡山県立弓削高等学校)
○入選(124点)/浅沼博貴、東絵理、安部麻未、安部柚季実、天野絵理奈、天野幸恵、伊賀並唯、池端あい、伊藤友里恵、井上麻美、岩島かおり、岩田華奈、岩田美咲、岩本有里子、植田綾夏、上野正祥、内山果林、遠藤聖尭、大石友美、大久保公美子、大谷沙織、大谷悠貴、大橋真美、大橋万純、大山友梨、岡裕美、岡山竜司、小澤幸恵、梶浦千加、片野万理菜、加藤大樹、加藤梨沙、鎌田紗由、上妻舞、唐沢ひとみ、川西美穂、川原静香、神田望花、岸川未来、北村法子、河本愛子、小久保友貴、小林絵里香、小林由佳、齋藤佳奈、齊藤恵、酒井美由紀、櫻木久恵、佐藤香菜、里見いつか、佐野純一、澤村亜希子、三鍋朝美、篠田貴衣、柴 美緒、清水美穂、上林英梨子、吹田杏子、鈴木沙世子、鈴木彗羅、相馬祥人、高橋優、田口智大、竹内美晴、田中芽衣、田中里奈、谷口澪、田畑薫、知念綾音、戸塚義明、中井裕貴、長瀬綾花、中仙道史恵、中畑真琴、中村楓、中村香織、中村真美、永礼くみ子、那須孝彦、成瀬理帆、西脇里奈、二宮つばさ、沼本明希子、野瀬徳水、能勢菜美、信國みどり、野村汐里、橋本茉実、長谷川直紀、服部紘己、濱口華歩、濱砂志穂、早水望貴、原侑輝、原田知美、菱田実来、廣瀬純子、福重まどか、藤崎智哉、古澤千尋、本間功一、松井友香、松村昂、丸岡泰博、溝口裕真、宮原勇介、三好俊介、宗 愛、本山幸、森未沙樹、森本華、柳澤絋香、山下千晴、山本彩加、山本ひかる、横津聖人、横濱佳那、横山公人、吉岡寛晃、吉野美也、吉本智那美、吉行志織、渡瀬光、渡邊祐介
テーマB:「僕の関心・私の関心」
○最優秀賞(1点)/大森偲之(鹿児島県立隼人工業高等学校)
○岐阜経済大学長賞(1点)/軸屋秀斗(鹿児島県立松陽高等学校)
○優秀賞(4点)/浅谷優輝(兵庫県立いなみ野特別支援学校)、森川昌美(名古屋市立工芸高等学校)、戸塚優(静岡県立浜松工業高等学校)、佐藤菜萌(東海大学付属相模高等学校)
○奨励賞(20点)/豊田海(岐阜県立大垣東高等学校)、永井麻菜(名古屋市立工芸高等学校)、林真以(名古屋市立工芸高等学校)、釜本太貴(尾道高等学校)、河内麻紀(サンデザイン専門学校)、根占彩華(鹿児島県立隼人工業高等学校)、山内愛理(鹿児島県立隼人工業高等学校)、中川沙樹(熊本県立第二高等学校)、加藤唯(京都精華女子高等学校)、伊藤芙未子(京都精華女子高等学校)、峰松友美(岡山県立高梁城南高等学校)、川原愛理(岡山県立高梁城南高等学校)、永留歩美(福岡県立大宰府高等学校)、石川晃大(岐阜県立大垣北高等学校)、田林功至(岐阜県立大垣北高等学校)、河野有加(宮崎県立佐土原高等学校)、草苅由理佳(岡山県立弓削高等学校)、藤原美喜(岡山県立弓削高等学校)、濱田未奈美(夙川学院高等学校)、大塚香織(埼玉県立越生高等学校)
○入選(205点)
青木美智子、東由、荒岡健太、石川晃成、石原澪、磯部世奈、市岡美彩、伊藤真帆、稲富望、稲吉芽衣、井上理恵、今井美穂、岩井駿己、上田渚、内田奈々、内見茉耶、宇津智子、大路博美、大嶽綾華、大谷友里恵、大橋歩、大橋辰慶、大原萌実、岡望美、岡端美香、奥村文菜、小川千尋、小川ゆみこ、奥村圭衣子、潟浦ひかる、勝田千尋、勝又義友、加藤安香音、加藤紗織、加藤瞳、加藤美彩季、門脇明日美、椛嶋絵美利、上荒磯優也、川合裕美子、川上芹奈、川瀬しおり、川野綾香、川人安菜、喜多彩乃、北川拓実、北村華、木全美知瑠、雲井夏哉、倉本真衣、黒田舞、黒田雅也、桑名里沙、小出果歩、児嶋愛、小寺麻美子、小松由布子、近藤衣理子、坂路あゆみ、坂下桃子、坂ノ上美菜、佐藤翼沙、佐藤優希、眞田富貴、佐野麻美、佐分利周平、沢岡珠希、直原美穂、柴田実紀、清水智加、清水里穂、下村美奈、十田大志、白尾蓉子、末迫太一、杉江翼、杉原有紀、杉本美帆、杉本夢実、杉山元成、鷲見明里、住田沙紀、瀬戸口なつみ、 嶋求美、 橋菜摘、鷹谷美里、高柳悠介、武田彩花、田島恵理香、田嶋 悌、田代祐美子、龍谿駿、田中綾子、田中美咲、田中美春、田中美帆、棚澤優希、棚橋政博、谷口公太、谷口ほのか、種田加奈、田村亜衣、田村治子、塚越祥香、堤朱音、恒岡やよい、椿森裕子、坪内俊ニ、出山育実、冨永梨沙、豊田実沙樹、直江薫、仲麻希、中川千賀子、中田侑里、中谷友紀、中塚健太、中出彩、長友春香、長野明代、長野さくら、中葉美穂、中原圭太、中深芽依、中村早也香、奈良実佑紀、二階堂早絵、西澤舞花、西村舞、野瀬公美子、橋口麻利、八田俊和、羽根吉利恵、林くるみ、林沙也加、林美貴、林侑弥、林善也、坂泉美、日浦有彩、東谷友美子、東良芽衣、挽田彩乃、久野健太郎、肥田知世子、日 智絵、平野千比呂、福澤恵理、福島佑貴、福永晴香、藤木舞茜、二俣綾乃、堀田咲良、堀内玲那、本郷庸平、眞加部有貴子、間瀬ひとみ、松岡鈴音、松本隆良、松本理沙、松山美佳、馬渕真衣、丸田千恵、丸山綾香、三浦いずみ、水谷光二朗、三輪潤平、美濃島一磨、宮裕美、宮内直人、宮 江里、宮原友美、宮原貢、宮元由美、三輪晃久、村木幸弘、森祐太、森隆希、盛田紋菜、安田好香、八田谷志織、矢野純、山内茜、山崎佳菜、山 崇央、山下有加、山下由香、山田愛、山田美桜、山田梨央、山本英里、山本輝世、山元寛之、横幕凌介、吉田智央里、吉富安那、吉富恭子、吉本真理、和佐田麻紀、和田佳連、和田直樹、渡辺志摩、渡辺友穂、渡邊美樹、渡辺芽衣

◆学校賞受賞校(8校)
滋賀県立彦根工業高等学校、愛知県立起工業高等学校、滋賀県立伊吹高等学校、岐阜県立大垣東高等学校、岐阜県立大垣北高等学校、京都精華女子高等学校、岐阜県立大垣南高等学校、石川県立大聖寺実業高等学校

◆都道府県別作品数
テーマA:「川」
北海道(2点)、青森県(1点)、岩手県(3点)、秋田県(3点)、福島県(9点)、神奈川県(6点)、埼玉県(9点)、茨城県(1点)、群馬県(3点)、富山県(10点)、石川県(11点)、福井県(3点)、愛知県(74点)、岐阜県(83点)、静岡県(23点)、三重県(4点)、大阪府(10点)、兵庫県(16点)、京都府(1点)、滋賀県(170点)、岡山県(32点)、徳島県(1点)、香川県(3点)、福岡県(8点)、佐賀県(2点)、長崎県(1点)、熊本県(1点)、大分県(1点)、宮崎県(9点)、鹿児島県(3点)合計503点
テーマB:「僕の関心・私の関心」
北海道(6点)、青森県(1点)、岩手県(1点)、秋田県(7点)、福島県(6点)、東京都(2点)、神奈川県(17点)、埼玉県(17点)、富山県(28点)、石川県(41点)、福井県(5点)、愛知県(125点)、岐阜県(152点)、静岡県(23点)、三重県(22点)、大阪府(20点)、兵庫県(40点)、京都府(56点)、滋賀県(82点)、岡山県(34点)、広島県(2点)、徳島県(4点)、香川県(10点)、福岡県(23点)、佐賀県(1点)、熊本県(1点)、大分県(1点)、宮崎県(30点)、鹿児島県(31点)、沖縄県(1点)、合計789点

ありがとうございます。7月27日、今年も猛暑の中、厳正な審査が行われ、上記の皆さんが入賞されました。おめでとうございます。一堂に並んだ作品を目の前にして、北海道から沖縄まで1292名の高校生が、各テーマに取り組まれたその時間と営みに想いが巡ります。この一年、いろいろなことがありました。ひとりひとりの高校生がそれぞれの希望や夢に挑戦できる平和で自由な社会でありますように。ご指導賜りました先生方、ご協力頂いた行政の皆様そしてご協賛賜りました企業の皆様に厚く感謝申し上げます。ありがとうございました。

事務局長/堀 照雄