第6回全国高校生ポスターコンクール 2007.8.18(Sat)-8.27(Mon)
6th Highschool student poster contest (Domestic)

●ご応募いただいた皆さんヘ

只今、甲子園では、第89回の全国高校野球選手権大会の熱戦がくり広げられています。
間もなく決勝戦が行われ、晴の優勝校が決まることでしょう。
さて、私共の今回のポスター甲子園では、956点(A・B両テーマ合計)の応募をいただいて、厳正な審査の結果、入賞・入選の作品夫々53点と255点(いずれも合計)を決定することができました。
毎年のことながら、若い皆さんの熱気溢れ、想像力と創作力に富んだ作品に感心しております。そして同時に、世相を敏感に反映した多くの作品に、その豊かな感受性を改めて確認した次第です。
巷間によく、今どきの若者はと称して、受動的・閉鎖的、また消極的等々、いろいろいわれていますが、応募された皆さんにみる限り、そのような批評は的外れであり、独創力や積極性・感受性といった若人の長所が十二分に発揮されているように思います。いうまでもなく、これらは芸術を志す者、また関心を持つ者の特性でもあります。皆さんが、今後ともポスターへの強い関心を維持されることを祈って止みません。おくれましたが、このコンクールにいつもご協力いただいている高等学校の先生方、及び応募の生徒の皆さんに心からの感謝を申し上げます。またご支援を賜った大垣市、大垣市教育委員会、並びに岐阜経済大学に対し厚く御礼申し上げます。

2007年8月
全国高校生ポスターコンクール実行委員会委員長 大迫輝通


●審査を終えて

ポスターは、いたってシンプルな表現媒体である。だから、世界各国で、ポスターコンクールが開催されているが、情報社会が複雑になればなるほどポスターは生き残り、その存在が確固となる。
ポスターの構成要素であるタイポグラフィは、イラストレーションと共に重要である。手描きの場合はレタリングであるが、今日では、パソコンによるコンピュータグラフィックの普及によってデジタル化されたフォントを簡単に使用できるので、レタリングを教育現場で教えるのは難しくなってきている。しかし、漢字文化を理解するためにはレタリング教育が必要である。手で文字を描くことは、文字の成り立ちに触れ、文字の歴史を考えることになる。漢字は象形文字から始まっているが、現在使用されている世界の文字の中で、象形文字の形を残しているのは、先進国の中では、漢字だけといえる。つまり、漢字が誕生した甲骨文字、金文からおよそ3300年の歴史が続いている。その漢字が今日では、中国では簡体字、香港、台湾では繁体字、そして、日本では常用漢字に分かれ、漢字文化圏が崩壊してしまっている。漢字文化圏の復活の手段として、漢字のデジタル化を積極的に評価し、中国の簡体字、香港、台湾の繁体字、そして日本の常用漢字等をデジタル化によって統合をはかり、中国、韓国、台湾、日本等東アジア地域の漢字が、日常の筆記や電子メール等でコミュニケーションがはかれるようになれば、漢字文化の誇りを取り戻し、東アジア地域の共存共栄の道は夢ではない。今日の不確定な社会は、明確なコミュニケーションを求めており、ポスターにおいてタイポグラフィが重要な役割を果すのは当然といえる。
B部門の優秀賞、中澤美樹の『みち』は漢字『道』の形を活かしたシンプルな作品で着想がおもしろいが、『道』という漢字の字源、つまり成り立ちを調べてみると、アイデアやイメージがもっと深まったかもしれない。どうして『首』が関連しているのか。普段、何気なく使っている漢字を見つめ直す機会を、このポスターは見る人に与えたといえる。最優秀賞の奥山絵理香『空を飛びたい』のイラストレーションは力作だが、コピーとそのレタリングを工夫するともっと素晴らしいポスターになったにちがいない。A部門の最優秀賞、西川歩実の『子供達の未来』のコピー「可能性を潰すな」もレタリングの工夫が必要である。優秀賞、田中彩月の『若さ』は力強いイラストレーションに比べ、レタリングが弱い。レタリングもイラストレーション以上に造形的でなければならない。ポスターはその時代の、その国の文化を表象しているが、社会の反映でもある。高校生のポスターもしかり、といえる。
A部門のテーマ『大切なもの』の解釈は、社会的な問題として捉えるか、自己の問題として捉えるかによって変わるが、社会的な問題として捉えようとする高校生の正義感や義憤心は賞賛に値する。しかし、それだけでは充分な表現はできないが、奇妙で残酷な事件が多い現代社会において、このポスターコンクールを通じて高校生の健全な精神を垣間見て、救われた気持ちになる。最後にいつも心暖かく指導されている先生方や、ポスターに青春を見い出そうとしている高校生にお礼申し上げます。

金沢大学教授 日本国際ポスター美術館ディレクター 松浦 昇


●事業報告

ありがとうございます。
猛暑の7月22日、審査会がおこなわれました。めでたく入賞された方々をご報告致します。

テーマA:「大切なもの」〜わたし・わが町から世界へ〜
○最優秀賞(1点)/西川歩実(夙川学院高等学校)
○市長賞(1点) /松本歩季(京都精華女子高等学校)
○教育長賞(1点)/浅谷優輝(兵庫県立いなみ野特別支援学校)
○優秀賞(4点)/清水真美香(和歌山市立和歌山商業高等学校)、浅田珠実(東海大学付属相模高等学校)、岩田弘平(岐阜県立大垣工業高等学校)、田中彩月(岐阜県立大垣北高等学校)
○奨励賞(20点)/熊倉南(東京都立工芸高等学校)、黒田茉利依(富山県立高岡工芸高等学校)、前田直樹(鹿児島県立隼人工業高等学校)、河嶌英理香(和歌山市立和歌山商業高等学校)、劉大輔(和歌山市立和歌山商業高等学校)、川平遼佑(名古屋市立工芸高等学校)、田井真季(東京都立葛飾ろう学校)、岡田裕季(三重県立白子高等学校)、板羽沙織(東海大学付属相模高等学校)、田中祥平(岐阜県立大垣工業高等学校)、古山貴仁(岐阜県立大垣工業高等学校)、吉田俊介(岐阜県立大垣工業高等学校)、若園和也(岐阜県立大垣工業高等学校)、栗本優樹(岐阜県立大垣工業高等学校)、佐々木洋亮(岩手県立盛岡工業高等学校)、佐々井若菜(岡山県立高梁城南高等学校)、大前一姫(兵庫県立香寺高等学校)、竹内香保里(兵庫県立香寺高等学校)、松下奈緒美(兵庫県立香寺高等学校)、中西未紅(滋賀県立伊吹高等学校)
○入選(200点)/青田結希、浅井康司、天野佑梨、安西夏季、飯沼佑樹、石賀由莉、石原渚、泉嘉一、伊藤小姫、伊藤大樹、伊藤由衣、伊藤仁昭、井上智映子、井上裕葵、井上遼真、今川未来、今田恵奈、今村亜理紗、岩川茜、岩田祥吾、上辻麻衣、上西直、臼井悠一、海野みれい、大家瑞紀、大川夏来、太田早紀、太田有香、大友ゆり子、大原萌実、岡田裕美子、興津美穂、奥野都、奥野有理、尾上花穂、春日井秀俊、金川明代、柏島知昌、川口真里奈、川嵜哲志、川田恵子、河原祐太、菊島桃果、岸本菜摘、北鈴珠香、北村法子、北村萌衣、木村彩乃、木村ひとみ、木村優希、紀本梨紗、窪田有華、熊谷亜莉沙、粂耀子、藏本麻未、栗山愛、栗栖佑佳、黒瀬菜摘、桑山愛、光齋千夏、小柴深友紀、小園夏生、小段洋平、小寺麻美子、古宮山晴香、近藤早都希、酒井夏実、酒井秀明、坂本亜紀奈、坂本皆都、澤野縁、塩津美由紀、志田崇光、志満みなみ、島橋あゆみ、清水あや、清水千砂登、志村萌、新徳公輔、杉原有紀、杉山大輔、杉山元成、鈴木歩、須藤さゆり、千田友加里、寒川佳奈、惣田千里、 木映莉香、木麻理恵、 木優、高田芽衣、高羽美沙子、 橋絵美、 橋良輔、 畑智香、竹山凌平、田中亜季、田中孝樹、田中千尋、田中麻子、田辺桂、知念綾音、堤有里恵、津村麻衣子、勅使川原葵、戸島大悟、富岡賢史、内藤和馬、内藤さつき、仲優加里、中島亜美、中島千絵、中島由乃、中田千尋、中畑真琴、中村優理、永尾祐樹、長瀬崇裕、永田舜、永野歩、七角郁衣、名和良太、西景生、西川和寛、西田圭佑、西村美香、西本早希、二宮葵、能作香織、野島未喜、野田歩、野原望愛、野村友裕、橋本慎介、濱田愛子、林加奈、早瀬明日香、速水友香莉、馬場優治、坂竜汰、日笠えりか、東沙由美、東口真理、樋口真弓、日比智大、平井あこ、平山絢未、福田瑠奈、福地智哉、福本紗綾、福本詩織、藤田遼、藤本妃奈子、藤原麻友、寶満佐和子、星野成人、星屋亮太、堀泰葉、堀内愛里、堀江将司、本間加那江、前川郁実、前田弘美、牧本太平、牧本洋平、松波拓光、松原慧子、松村はるか、水谷知未、水谷勇貴、水野絵梨香、満田順子、宮裕美、宮池郷恵、宮原勇介、宮本紗妃、三好知恵、村上郁美、村上舞、本山幸、百 瞳、森大地、森美央、森岡志保、森寺菜月、森本美紗妃、山下恵里、山下真波、山田愛夏、山田杏子、山田聡美、山田雄大、山中麻菜美、吉田卓正、吉田美里、吉田みづき、吉田佑介、吉田侑加、米山実衣留、和田郁恵
テーマB:「旅」〜わたしの道・わたしの夢〜
○最優秀賞(1点)/奥山絵理香(東海大学付属相模高等学校)
○岐阜経済学長賞(1点)/加藤翔(岐阜県立大垣工業高等学校)
○優秀賞(4点)/中澤美樹(富山県立高岡工芸高等学校)、 橋奈美(サンデザイン専門学校)、鈴木貴大(岐阜県立大垣工業高等学校)、南村優花(京都精華女子高等学校)
○奨励賞(20点)/栄悠里(鹿児島県立隼人工業高等学校)、山田裕美(嶺南学園敦賀気比高等学校)、原田綾乃(サンデザイン専門学校)、進藤寛馬(岐阜県立岐阜工業高等学校)、渡辺沙央里(東海大学付属相模高等学校)、佐藤菜萌(東海大学付属相模高等学校)、恵美千尋(真颯館高等学校)、福田傑(岐阜県立大垣工業高等学校)、藤田尚(岐阜県立大垣工業高等学校)、藤井崇人(岐阜県立大垣工業高等学校)、樋口拓也(岐阜県立大垣工業高等学校)、水谷紘樹(岐阜県立大垣工業高等学校)、南雲香奈(埼玉県立越生高等学校)、三木史穏(兵庫県立姫路工業高等学校)、松岡円香(兵庫県立姫路工業高等学校)、中西伶(京都精華女子高等学校)、西中翔子(京都精華女子高等学校)、大村優里(京都精華女子高等学校)、古田裕己(岐阜県立大垣北高等学校)、渡辺聡美(福島県立光南高等学校)
○入選(55点)/青田真弥、天羽和也、五百蔵千尋、磯合幸、稲葉夏海、今津絵梨香、今中智子、内田康貴、大島理沙、小笠原泰彦、奥村茉由、加藤奈美、加納知明、鎌田萌奈美、河部綾乃、桑原広幸、小西佑里枝、齋藤佳奈、佐々江智子、庄司美喜子、末安龍也、杉山大樹、高山由姫、田神光季、瀧達也、竹内香織、武田美果、竹森結美、田中彩華、田中真由美、田辺仁、富田昇吾、中村由真、中谷麻衣子、成川昂佑、西村真由子、橋本真樹、鉢木絵美子、林くるみ、林聖也、坂東沙紀、東影勇太、深津和泉、堀江穣士、前田文、前田沙耶、前田泰志、松島早紀、松山竜典、八木拓人、矢橋亜衣、山口知恵、倭由記、山本志穂、吉留桃子
◆学校賞受賞校
滋賀県立彦根工業高等学校、岐阜県立大垣工業高等学校、夙川学院高等学校、滋賀県立伊吹高等学校、和歌山市立和歌山商業高等学校、兵庫県立姫路工業高等学校
◆都道府県別作品数
テーマA:「大切なもの」〜わたし・わが町から世界へ〜
北海道(5点)、岩手県(4点)、福島県(21点)、東京都(2点)、神奈川県(29点)、埼玉県(4点)、栃木県(1点)、富山県(13点)、石川県(9点)、福井県(3点)、愛知県(16点)、岐阜県(114点)、静岡県(34点)、三重県(29点)、兵庫県(129点)、京都府(21点)、滋賀県(234点)、和歌山県(70点)、岡山県(8点)、愛媛県(4点)、福岡県(6点)、大分県(2点)、鹿児島県(5点)合計763点
テーマB:「旅」〜わたしの道・わたしの夢〜
北海道(1点)、福島県(10点)、東京都(3点)、神奈川県(6点)、埼玉県(9点)、栃木県(1点)、富山県(9点)、石川県(1点)、福井県(6点)、愛知県(12点)、岐阜県(43点)、静岡県(5点)、三重県(5点)、兵庫県(40点)、京都府(10点)、滋賀県(20点)、和歌山県(1点)、愛媛県(4点)、福岡県(2点)、大分県(4点)、鹿児島県(1点)合計193点

本コンクールも第6回目を迎えました。今回もいろいろな切り口・問題意識から「大切なもの」を表現いただきました。家族・友人・自分自身や絆についての作品が多くなった印象を持ちました。いじめや自殺が話題になる昨今の影響かもしれません。寄せられた作品群に時代が反映しています。ひとりひとりの高校生がそれぞれの希望・夢を持てる社会、それに挑戦・再挑戦できる社会、もっと平和で自由な社会が永続致しますように。全国956名の皆さん、真摯なご指導を賜った諸先生方、そして多大なご援助を賜りました企業様・行政の皆様に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
事務局長/堀 照雄