第5回全国高校生ポスターコンクール 2006.8.19(Sat)-8.28(Mon)
5th Highschool student poster contest (Domestic)

●ご応募いただいた皆さんヘ

平成14年発足の日本まんなか共和国文化首都事業(岐阜・滋賀・福井・三重4県)の1つ、全国高校生ポスターコンクールが早や5回目をむかえました。今年も昨年同様1200点余の作品をお送りいただき、応募いただいた皆さんに心からの感謝を申し上げます。いつもながら皆さんの豊かな想像力、そして創作力に感心しています。 今回のテーマは昨年に続き「大切なもの」ですが、昨年に比べ、いのち(命)をテーマとするものが目立ち、昨今の世相(暗い事件頻発)の強い反映が感じられました。 ところで、自身の主張を見る者に強く印象づけるには、卓抜した想像力と創作力・表現力が欠かせません。そしてそれは日頃の絶え間のない研鑽によってのみ培われることを忘れず、今後、益々の精進をお願いしたい。また、今回から市長賞及び教育長賞が新設されましたが、入賞の栄誉を得られた皆さんは、それを励みとして、いっそうの進歩を目指して欲しいと思います。 最後に、ご協力いただいた先生方並びに応募いただいた皆さんに改めて感謝の言葉を申し上げるとともに、今後とも変わらぬご支援をお願いしてご挨拶とさせていただきます。

2006年8月
全国高校生ポスターコンクール実行委員会 委員長
大迫輝通

●なぜポスターは元気なのか。

「ポスターはアートであり、メッセージである。」と言い続けて久しくなるが、昨年の第2回中国国際ポスタービエンナーレ(中国・杭州市)、今年の第20回ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ(ポーランド・ワルシャワ市)、第8回世界ポスタートリエンナーレトヤマ2006(日本・富山市)等を視察して、益々そのことに確信をもつようになった。現在、世界各地で開催されている国際的なポスターコンクール、展覧会は、大垣国際招待ポスター展を含めると20ケ所以上に及び、今年も新たに台湾で開催されることになっている。
なぜ、こんなにポスター芸術が元気で、盛んであるのかと考えると、ポスターがもつ「送りやすさ・受け取りやすさ」だけでは充分に説明できない。一時「ポスターはアートか広告か」という論争があったが、今日ではコマーシャルポスターは衰退し、社会・公共・文化ポスターの時代といえる。
世界情勢が不透明で、軍事的暴力がまかり通る中で、市民は平和で持続可能な自然環境の中で人類が共存できる社会、つまり成熟した文化社会を望んでいる証といえる。すなわちポスターのメッセージが市民の声を代弁し、ポスター芸術がもつ可能性に、市民の期待の眼があつまっているといえる。

全国高校生ポスターコンクールは第5回を迎えるが、美術教育において、ポスターは自己表現のひとつとして定着してきているように思う。今年も1000点以上の応募があり、特に今年はポスターに取り組む高校生の意気込みと指導されている先生方の熱意が強く作品に表れているのを感じた。
それに応えうる審査を心掛け、見落としがないか、何回か確認しながら受賞作品を選んだ。

最優秀賞の一口大輝の『地球の声』は田舎の生活の中で発見した「セミの声」が新鮮に響き、それが素朴に「地球の声」という形で表現されている。イメージとメッセージが拡がる作品で、日常生活の中から発想したアイデアが素晴らしい。
市長賞の山本七代の『生命(いのち)』は色彩がもつ力をうまく活かし、生命がほとばしる姿を力強く表現している。
教育長賞の万城可奈子の『戦火の中の少女』は、アフガニスタン紛争で孤児となった少女に「独りじゃないよ」と手を差し伸べている。戦争は最大の環境破壊であり、一番恐ろしいことは人々の心を破壊してしまうことである。少女の心が破壊しないように「独りじゃないよ」と手を差し伸べる表現は、戦争を告発している。

優秀賞の浅谷優輝の『愛』はコピーは入っていないが、優れた絵画的描写力によって親子の愛を表現している。
渡辺美季の『まつり大好き』は翁の面で自分たちの祭りのイメージと特色を表わし、祭りが地域文化として定着していることを表現している。
西森巳起の『私の散歩道。』はいつも散歩している道は、豊かな自然に囲まれ、それを誇りとして伝えようとしている。
木村成孝の『青いままで子供達に』は今の地球環境がいろいろな問題を抱えているが、それを解決して次世代の子供たちにバトンタッチしたい思いを表現している。

賞に入らなかった作品の中にも優れた作品があり、自分の視る眼を信じて、これからもポスターを創り続けて欲しい。
最後にご指導いただいた先生方にお礼を申し上げますとともに、ポスターは未来を創造する力をもった自己表現であるがゆえに、世界においてポスター芸術は元気であり、盛んであることをご確認いただき、生徒と夢と希望を語りながらご指導していただければ、生徒にとってポスターは最良の表現になると思いますが、いかがでしょうか。今後ともご協力とご指導の程、よろしくお願い申し上げます。

日本国際ポスター美術館ディレクター
金沢大学教授
松浦 昇

●事業報告

ありがとうございます。
7月17日、7名の先生方による審査会が行われました。めでたく入賞された方々をご報告致します。

○最優秀賞(1点)
一口大輝(岐阜県立大垣工業高等学校)
○市長賞(1点)
山本七代(岡山県立岡山工業高等学校)
○教育長賞(1点)
万城可奈子(岡山県立岡山工業高等学校)
○優秀賞(4点)
浅谷優輝(兵庫県立いなみ野養護学校)、渡辺美季(岡山県立高梁城南高等学校)、西森巳起(岡山県立高梁城南高等学校)、木村成孝(岐阜県立大垣工業高等学校)

○奨励賞(20点)
木全由莉(愛知県立起工業高等学校)、森綾菜(愛知県立起工業高等学校)、田端孝文(石川県立大聖寺実業高等学校)、岡彩香(和歌山市立和歌山商業高等学校)、谷直樹(岡山県立岡山工業高等学校)、井上順一(宮崎県立佐土原高等学校)、丸野友貴(熊本県立第二高等学校)、瀧川真里奈(岡山県立高梁城南高等学校)、森田龍平(岐阜県立大垣北高等学校)、高下英子(岡山県立弓削高等学校)、山本千尋(東海大学付属相模高等学校)、夏井絵梨(東海大学付属相模高等学校)、高橋絵美(東海大学付属相模高等学校)、高田敏彦(岐阜県立大垣工業高等学校)、 、遠藤聡志(岐阜県立大垣工業高等学校)、岡野克真(岐阜県立大垣工業高等学校)、藤原生瑠(岐阜県立大垣工業高等学校)、松野和哉(岐阜県立大垣工業高等学校)、渋谷侑希(兵庫県立香寺高等学校)

○入選(315点)
青木愛、青山友香、安達基将、安達瑠璃、阿部美由紀、天江志保美、新井湖貴、有田朋代、碇屋絢子、池田百合絵、石川朋希、石黒彩菜、石坂みなみ、石澤万希子、石谷充、石田朋華、石原辰郎、石橋悠、石割愛、伊藤智女、伊藤寛也、伊藤由希、伊藤友里恵、伊藤里帆、井戸川貴樹、鰰田里江子、井上可奈、井上栞、井上寿樹、井上菜津美、井上博美、猪子石麻夢、今川源進、岩木宏美、岩永明美、上田知実、植田美紀、魚住麻友、宇佐美温子、宇野由佳梨、宇野好美、梅原由斐、浦岡麻美、江崎美佳、江渕茜、大井明日香、大島しずか、大塚真央、應戸美咲、大西翔平、大野優人、大橋一輝、大橋翔太、大橋ゆかり、岡田拓也、岡本拓也、小笠原江理、沖崎友香、尾木綾香、荻野千尋、奥田愛、小田晃成、小原梨佳、尾藤依津紀、尾脇奈緒美、甲斐友紀江、角谷瞳、垣内未来、片桐愛美、加藤沙季、加藤重行、加藤未央、加藤梨絵、加藤玲、金井千咲貴、兼山陽菜、椛島麻以、鎌倉有希、上出唯、川合一輝、川合信吾、川添一輝、川原裕士、河部綾乃、川村亮太、川本浩正、神田江里子、神田昴亮、貴島達麻、北浦尚子、北川論、北畑明日香、木藤理恵、城戸慎也、木村彩乃、串田彩、國年彩夏、國廣可奈子、窪田実莉、栗本信仁、桑原千恵、小内一子、小久保竜也、小暮ひとみ、小島康加、小寺智哉、小寺麻美子、五藤優、小林郁恵、小林千紘、是洞俊輔、是利美紀、斎藤理絵、酒井優子、坂口真佑美、榊千鶴、坂下令真、坂田浩美、坂田真璃子、榊原有里奈、崎山裕哉、笹本彩香、櫻木久恵、佐藤成美、佐藤真衣、佐藤里奈、澤田千聖、三條海、篠宮菜緒、柴田絵里香、渋谷公美、島夕加里、嶋田あみ、清水綾、清水香織、清水健太、下釜沙貴、白岩香奈、塩飽菜穂、菅井歩、菅沼美保、杉本沙織、杉山裕紀、鈴木健太、鈴木敬行、須藤さゆり、関谷将成、妹尾真奈未、千田瞳、高木忠彦、高瀬智子、高田芽衣、高田有香子、 橋沙希、高橋貴仁、高橋弘樹、高橋豊、高橋亮、高間志緒里、高谷華名、竹内佑佳、田中愛華、田中亜季、田中麻子、田中絵里子、田中駿、田中直梨、田中拓也、田中千尋、田中友里恵、棚橋鏡功、田辺明架里、谷口妹美、谷中雄基、田上真純、玉江雅美、玉越久子、田村樹良、千葉春奈、長宗麻衣、月ヶ瀬梨恵、辻功次、辻垣内里枝、土田奨也、堤大晃、津野沙織、出口恵、徳田尚也、栩内まあこ、富澤綾音、富田智恵理、友田達也、鳥井珠実、内藤さつき、内藤慎二、直谷葉月、中彩奈、中井一希、中井瑶昌、中井仁美、中井蓉織、中川和磨、中田彩、中務はるか、中出有香、中野春加、中野由希子、中野竜太、中原静恵、中村翼、中村文耶、中山陽子、長岡真央、長瀬崇裕、長松あかり、長屋聖士、名木田明実、成影誉子、新山成美、西香織、西田美穂、西田豊、西村星香、西村隆志、西村美香、西村圭希、西脇雅人、野口歩美、則竹沙江子、長谷川恵里、畑友紀、畠山徹也、八田理英、服部一希、服部浩一、服部翔太、服部隆史、花輪楓、早野堅太、原明日香、原馬彩、原田政隆、原田祐希、東山沙由梨、日高麻友美、日比直人、平手めぐみ、平野真以、藤田綾、藤戸日果里、藤野かほり、藤本妃奈子、舟原俊樹、堀江智仁、堀部祐太、本間加那江、前田直樹、巻野雄希、増田亘希、松浦優香里、松尾友香里、松岡諭紀、松岡由紀子、松下直子、松永英彰、松原千晶、丸山翔、丸山瑞加、水島智美、宮浦里奈、宮川大祐、宮川夏来、宮武里枝、宮本亜沙美、宮本真弥、三好彩香、三輪藍香、村井保香、村上綾乃、村木香苗、村田美季、本川美穂、森咲奈、森川真衣、森迫美緒、宿利原美穂、矢野嵩大、藪木沙也香、山岡亜由未、山内毬乃、山口杏子、山口晃一、山口裕一、山口真智子、山崎祐真、山田貢平、山田真希子、山本翔紀、山本由佳、横山遥、吉田あや、吉田正平、吉田優希、吉野直人、吉村晴菜、吉村春菜、米倉翔太、米澤美優、若原崇史、若林雄介、若山満大、渡辺慎一郎、渡辺るりこ、和田郁恵、和田眸

○学校賞受賞校
滋賀県立彦根工業高等学校、岐阜県立大垣工業高等学校、愛知県立起工業高等学校、滋賀県立伊吹高等学校、岐阜県立大垣北高等学校、兵庫県立姫路工業高等学校、夙川学院高等学校、岡山県立岡山工業高等学校
◇都道府県別作品
神奈川県(22点)、埼玉県(40点)、東京都(4点)、富山県(20点)、石川県(14点)、福井県(6点)、愛知県(129点)、岐阜県(263点)、静岡県(81点)、三重県(15点)、兵庫県(142点)、京都府(1点)、滋賀県(269点)、和歌山県(42点)、岡山県(82点)、佐賀県(4点)、熊本県(2点)、宮崎県(42点)、鹿児島県(7点)合計1185点

本コンクールも第5回目を迎えました。当初高校3年だった方々もすでに大学4年または社会人4年生。この間の社会の変化は良きにつけ悪しきにつけ目をみはるものがあります。一般的・抽象的な平和ではなく、具体的に起きている・起きつつある戦争に私たちはどう対応するのか。絵空事ではなくそれが問われる時代です。 今回もいろいろな切り口・問題意識から「大切なもの」を表現いただきました。自分が一番大切に思う人・もの、それを大事にして生きる。そんな高校生がいきいきと育っていることを作品を通じ実感しました。日本国際ポスター美術館も平成18年2月15日に特定非営利活動法人(NPO法人)の認可を受け、今後いっそうポスターの果たす役割の実践に邁進してまいる所存です。ひとりひとりの高校生が、それぞれの夢に挑戦・再挑戦できる社会、もっと平和で自由な社会が存続いたしますように。
全国1,185名の皆さん、真摯なご指導を賜った諸先生方、そして多大なご援助を賜りました企業様・行政の皆様に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

事務局長/堀 照雄