最優秀賞・優秀賞/ご挨拶・選評   A部門:奨励賞(20点)   B部門:奨励賞(8点)・入選(一部)

●ご挨拶

全国高校生ポスターコンクールも3回めをむかえ、今年は昨年を上まわる数の応募をいただきました。まず始めに、ご協力いただいた高校の先生方、そして生徒の皆さんに、心からの感謝を申し上げます。
今回は、特別企画として松尾芭蕉生誕360年記念のポスターもお願いしましたところ、これにも多数の作品を寄せていただきました。見ごたえのある力作ぞろいとの印象を強くもちました。
テーマ「日本・未来」については、今の世の中、なかなか展望が開けないとはいいながら、かつて戦争のさ中に育った私達からみれば、平和で自由な、本当にうらやましい今の時代に生きる若い皆さんは、自分が主役の意気込みで将来を開いて欲しいと、いつもながらに思ったことでした。
具体的な講評は、あとの審査委員長の言をまつとして、いつも特別なご支援をいただいている大垣市並びに大垣市教育委員会に感謝を申し上げ、更に、応募いただいた高校生の皆さんには重ねての御礼と今後の健闘をお祈りしてご挨拶の言葉とさせていただきます。

2004年8月
全国高校生ポスターコンクール実行委員会 委員長
日本国際ポスター美術館 館長
大迫輝通

●審査を終えて

ポスターはアートであり、メッセージである。ポスター芸術が今日の情報革命によって、一時存在が危ぶまれたが、海外のポスターコンクールの隆盛を見ると、かえって街頭芸術としてのポスターが市民に支持されているといえる。国際的なポスターコンクールを開催している国は、ポーランドをはじめ、中国、韓国、日本を含め、10カ国以上になる。今年もイランのテヘラン、ポーランドのワルシャワ、フランスのショーモン等で開催されているが、今日のコンクールではオリジナリティ(独創性)を求めるあまり、奇をてらった表現やグロテスクな表現へ走る傾向がある。ポスターの表現においてオリジナリティが重要ではあるが、オリジナリティについてもう一度考え直す時期にきているといえる。

3回目となる全国高校生ポスターコンクールは、『日本・未来』部門に1,218点、『芭蕉』部門に102点の応募があった。着実に点数が増え、レベルも向上している。『日本・未来』部門で最優秀賞を受賞した作品は、谷知佐子の『小さな子供から大きな未来へ・・・』である。子供が右手の指をさして「空のむこうに何があるの?」と期待と不安が交差した心理状態を表現している。まさに、今の日本における子供たちの気持ちを代弁している。虐待やいじめから子供たちを守り、子供たちの未来を考えるのが政治であり、教育や家庭である。子供たちがおかれている環境の改善こそ日本の未来へつながることを伝えている。優秀賞の長谷川綾香の『Are you happy Now?』は、夕暮れの中でふと「あなたは幸せですか。」と問い、田中弓子の『ひのまる』は、白米と梅干しのひのまる弁当を見立てて「変わらない良さもある。」と、未来は変わることが全てではないと警告し、片田裕美の『見返り日本図』は、少年犯罪や悪質な事件がどうして起こるのか、振り返る、見返りましょうと促している。増野真奈美の『No War』は、イラク戦争やその後のイラクを通して、内なる叫びとして、涙で簡潔に表現している。『芭蕉』部門は、点数としては少なかったが、対象やイメージが特定していたため力作が多かった。芭蕉賞を受賞した高橋香織の『漂泊の詩人芭蕉に出会える街、大垣』は、松尾芭蕉を厳しいイメージで的確に捉えた秀作である。大垣市長賞は橋本幸男の『古池や蛙とびこむ水の音』が受賞、俳句の光景をユーモラスに表現している。大垣市教育長賞は武田由李恵の『旅と芭蕉』が受賞、『奥の細道』を達成した芭蕉を優しい眼差しで表現している。

高校生のポスターにおけるオリジナリティとは何か。勿論、奇をてらった表現やグロテスクな表現ではなく、若い感性から生まれる豊かなアイデアが消化されて、具体的な造形要素である色や形に置き換えられた時に生まれるものである。ただアイデアが消化しきれなくて造形が陳腐になるきらいがある。若い感性、若い力が明日のポスター芸術を築く。最後に指導された先生や応募された生徒の努力に賛辞を送りたい。

日本国際ポスター美術館ディレクター
金沢大学教授
松浦 昇

●事業報告

ありがとうございます。
全国の高校生1,320名から作品が大垣の地に寄せられました。
7月10日、猛暑の中、5名の先生方による審査会。
めでたく入賞された方々をご報告致します。

A:「日本・未来」
○最優秀賞(1点)
/谷知佐子(広島県立広島観音高等学校)
○優秀賞(4点)/増野真奈美(和歌山市立和歌山商業高等学校)、片田裕美(富山県立高岡工芸高等学校)、長谷川綾香(岐阜県立岐阜総合学園高等学校)、田中弓子(岡山県立高梁工業高等学校)
○奨励賞(20点)/木戸亮佑(倉敷翠松高等学校)、大橋高明(岐阜県立大垣農業高等学校)、吉田和平(岐阜県立大垣農業高等学校)、田中伯実(三重県立四日市四郷高等学校)、岩阪衣里子(和歌山市立和歌山商業高等学校)、福田世理(和歌山市立和歌山商業高等学校)、佐野綾菜(和歌山市立和歌山商業高等学校)、松井麻美(和歌山市立和歌山商業高等学校)、水谷圭吾(大阪府立東住吉高等学校)、前嶋陽子(岡山県立倉敷古城池高等学校)、山村真依子(夙川学院高等学校)、眞野亜沙美(愛知県立起工業高等学校)、平野めぐみ(東海大学附属相模高等学校)、佐野美穂子(東海大学附属相模高等学校)、橋本有矢(岐阜県立大垣工業高等学校)、渡邉有希(岐阜県立岐阜工業高等学校)、鹿谷彩美(香川県立高松工芸高等学校)、守安美穂(岡山県立高梁工業高等学校)、西裕子(岡山県立高梁工業高等学校)、山崎友希(兵庫県立香寺高等学校)
○入選(286点)/青木亮太、浅野彰太、浅野友梨、阿慈地遥、東早都、阿部加奈子、荒居聡、有田朋代、安藤侑香、碇屋絢子、五十嵐理佐、生川貴大、池田和之、池田麻理恵、石倉小也佳、石塚友理、板橋勇太、井田安珠沙、市橋侑弥、伊藤珠希、伊藤太祐、伊藤直子、稲葉愛、井上亜沙美、井上学士、井上隆寛、井隼綾巳、井深昌之、伊吹香南、今枝訓、井村将太、岩本加菜子、印田有加里、植田学、上野山敬子、内田瑛子、梅崎三加、浦田奈緒子、江川美穂、江副太一、大蔵里香、太田貴子、太田千裕、大谷和子、大野智史、大橋美子、岡田早加、岡田小百合、岡田奈那子、岡田美紅、岡田りえ、岡部明徳、岡本美香、小川智緒子、小川未来子、奥村仁美、小倉綾夏、小蔵あんり、小澤恵、乙部恵里、小野文香、垣内智江、笠原悠太、笠松由有基、片桐春菜、片山瑠以、金子由美子、上出早織、神谷紘志、亀田忠、河合美奈佳、河合裕香、川久保綾、川崎碧、川添由佳子、川那辺麻実、川並良太、川西菜穂、川辺将史、峪村美帆、喜多川文香、北村大輔、北村俊満、桐山健太、金城彩子、国枝ひとみ、國枝美里、國島里奈、久保田彩、汲田純奈、栗島祐美、黒木未来、小石達也、鯉田茉希、小崎さやか、小島秀祐、小島貞、小杉英彰、児玉詩絵莉、児玉拓也、小原基史、小林春菜、小林有希奈、小林曜子、古曳望美、米納千智、近藤慶治、近藤由梨香、後藤大樹、後藤大器、後藤充孝、五藤優、才辻香里、齋藤日嘉里、榊原康介、阪口亜希、坂田真璃子、酒匂菜摘、佐々木春菜、佐々村康尊、佐藤恵梨、塩田麻衣、芝原竜司、澁谷知代、島田茜、清水克宏、清水香耶子、杉谷友里恵、鈴木あすみ、鈴木徹、鈴木正江、鷲見美保、瀬古愛実、園部竜矢、醍醐将、高垣伊代、高木優子、高熊賢宏、高野紗也加、高橋香織、高橋陽子、滝川由華、竹重正美、田崎由実、田尻奈緒子、田中健、田中美絵、棚瀬和子、棚橋侑紀、谷口有希、谷口裕美、谷村和彦、塚崎佑梨、月森美里、辻麻美、辻かおり、津田彩名、土屋国大、土屋直之、坪井一馬、鶴谷新、寺井瞳、寺岡あずさ、常盤実里、富井幸子、冨田有希、堂代聖子、中嶋真実、中勢千尋、中瀬友見、中谷円郁、中谷友香、中根唯、中村綾子、中村佳佑、仲村沙理、長崎由利穂、長田祐依、永留愛子、永冶悠、長屋元成、夏井絵梨、西純三、西智恵実、西雅史、西岡結、西川千尋、西垣朱香、西田奈央、西之園知加、西村伊由、西村結衣、西脇健二、丹羽昭由、野口桃世、能登かなめ、則竹麻里、乘松尚子、橋中枝里子、橋本麻生、浜下奈緒子、浜名美佳、早崎智子、林航太、林千鶴、林智子、早田尚子、原園みほ、原田愛、馬場絵里子、番場文章、東栄佑、日高望、日比野裕、日比野亮介、平塚愛加、平野裕子、平林英知、福山恵、藤井望、藤井優美子、藤澤奈緒、藤田美由希、藤田亮治、藤本亜耶、藤原祐揮、藤原龍二、古川亜友美、古川優希、古田純子、古田智也、堀内大嗣、本間美穂、前田由貴、槇坂幸子、増尾香美、増田晴香、松井香織、松井麻美、松本愛、松本知世、三浦大輝、水上知穂、水野伊織、水野和子、密岡さゆり、南浦成治、峰原千明、宮田紫織、三輪美津子、三輪遥子、武藤靖明、本島大輔、桃原由次、森飛斗、森恵子、森美里、森良子、森島惠正、森本真由、谷貝太志、矢島和幸、安田瞳、柳瀬葵、山岡知代、山岸香奈恵、山口広美、山下尚美、山田明須香、山田菜緒、山砥愛瑛、山根あゆみ、山本和樹、横路法子、横山幸加、横山めぐみ、吉田絵美、吉村香那美、吉本麻奈美、龍谿翔、若原絵美、若山裕介、渡邉綾乃、渡辺慶子、渡部里織、蕨高校パソコン部
B:特別企画テーマ「芭蕉」
○芭蕉賞(1点)
/高橋香織(東京都立国分寺高等学校)
○市長賞(1点)/橋本幸男(岐阜県立大垣工業高等学校)
○教育長賞(1点)/武田由李恵(愛知県立起工業高等学校)
○奨励賞(8点)/丸尾亜沙美(兵庫県立姫路工業高等学校)、槇尚美(兵庫県立姫路工業高等学校)、山口真依(岡山県立総社南高等学校)、福田真愛(岡山県立総社南高等学校)、小池紗璃菜(東海大学附属相模高等学校)、三輪慧太(岐阜県立大垣工業高等学校)、島本沙紀(香川県立高松工芸高等学校)、佐藤公美(香川県立高松工芸高等学校)
○入選(30点)/浅野麻衣、飯田利奈、伊東由美子、今田有紀、岩田愛梨、岡本彩、岡本梢、唐沢翔子、河内麻衣子、川原田みあ、窪田大志、操本あゆみ、黒川南美、清水千里、?橋篤司、武山園実、妻木友香、中神佑介、中田麻理、難波桃子、西村有理、能登理加、浜野友美、深見友美、藤沢亜純、松本郁巳、南美帆、守安彩、山田健太、山本証平
◇学校賞受賞校/滋賀県立彦根工業高等学校、岐阜県立本巣松陽高等学校、岐阜県立大垣工業高等学校、夙川学院高等学校、滋賀県立伊吹高等学校、和歌山県立和歌山商業高等学校、岐阜県立大垣北高等学校、岐阜県立総合学園高等学校、兵庫県立姫路工業高等学校
◇都道府県別作品数
テーマA:日本・未来
/岩手県(1点)秋田県(1点)、埼玉県(2点)、東京都(2点)、神奈川県(16点)、新潟県(1点)、富山県(22点)、石川県(13点)、福井県(35点)、岐阜県(412点)、静岡県(1点)、愛知県(46点)、三重県(48点)、滋賀県(339点)、大阪府(11点)、兵庫県(122点)、和歌山県(75点)、岡山県(22点)、広島県(14点)、香川県(19点)、高知県(2点)、佐賀県(5点)、熊本県(1点)、宮崎県(6点)、沖縄県(2点)合計1218点
テーマB:芭蕉/東京都(1点)、神奈川県(7点)、石川県(10点)、福井県(1点)、長野県(1点)、岐阜県(15点)、愛知県(11点)、滋賀県(1点)、大阪府(2点)、兵庫県(32点)、和歌山県(2点)、島根県(1点)、岡山県(6点)、広島県(1点)、山口県(1点)、香川県(10点)合計102点

いろんなことがあったこの1年でした。イラク戦争の大義が崩れる中にあっても、憲法9条改正・教育基本法改正が俎上にのぼ っています。大きく日本が変わろうとしています。
望むと望まざるとを問わず高校生は今後大きな時代の渦の中で生きていきます。
高校生がとらえる日本・未来は?
意外にも、明るい未来を描く作品が昨年より多かったと思います。
若者のすばらしい感性・力が満ち溢れています。
どんな時代でも、若者は生きるエネルギーを持っている。
忙しい高校生活の中、積極的に日本・未来を直視し作品を制作してくださった1,320名の皆さん、真摯なご指導を賜った諸先生方、そしてご援助賜りました企業様・行政の皆様に心よりお礼を申し上げます。
ひとりひとりの若者が現状に甘んじることなく、個々の夢に挑戦できる平和で自由な社会が末長く存続いたしますように。ありがとうございました。

事務局長/堀 照雄

 最優秀賞・優秀賞/ご挨拶・選評   A部門:奨励賞(20点)   B部門:奨励賞(8点)・入選(一部)